ホーム 質問箱 【Facebook】炎症抑制作用における『水素』『ステロイド』『消炎鎮痛剤』の違い

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    キーマスター
    引用:2012年10月15日/Facebook【医療法人社団医献会 辻クリニック】
    水素が「強い抗酸化作用を持つ物質」であることは最近になって発見された(2007年にNatureに日本医大太田教授が発表したのが最初)そして最近になって、水素が「関節痛/関節炎」「皮膚炎」「各種アレルギー疾患」に効果をしめしたり、癌治療に有効であることもわかってきた。
     
    水素の「抗炎症/抗アレルギー効果」「腫瘍増殖抑制効果」についての論文は多数出ているが、各論文のアプローチが違うためまとまりがない。

    そこで「水素の抗炎症/抗アレルギー/動脈硬化抑制/腫瘍増殖抑制」の効果についてまとめてみた。
    加えて同様の作用をもつ『ステロイド』『消炎鎮痛剤:NSAIDS』の作用とその副作用出現についても書いてみようと思う。*なるべくわかりやすく書くために、重要なポイントだけを抜粋しています。詳細をお知りになりたい方(専門の方)はPubMedに数多くの論文がありますので読んでみてください。活性酸素と炎症の関係は図にあるように『活性酸素発生→NFκB活性化→COX2活性化→PGE2/PGI2活性化→炎症反応』という経路によって発生する。活性酸素の発生は
    *ミトコンドリアから:ミトコンドリア機能低下(老化など)による*毒:肝臓が各毒素を解毒する際に使用するチトクロムP450など *尿酸代謝:プリン体→尿酸 に必要なキサンチンオキシゲナーゼなど、様々な反応で発生し、これが上記反応経路によって炎症反応を発生させます。水素の抗炎症作用は、この経路の『活性酸素』を除去することによって炎症を抑えます。「鎮痛部位:関節内、筋肉内、神経、皮膚」への投与により炎症が急激に治まるのはこのためです。話は変わりますが、同様の鎮痛作用をもつ薬剤に『ステロイド』と『消炎鎮痛剤:NSAIDS』があります。これらはそれぞれ作用点が違います。*ステロイド:NFκBの抑制による反応経路の抑制*NSAIDS:COXの抑制による反応経路の抑制です。水素、ステロイド、NSAIDSのすべてが「炎症反応に向う反応経路の抑制」という意味では同様の作用であると言えるでしょう。しかし、各薬剤には多くの副作用があります。この副作用発生のメカニズムは以下のようになります。【ステロイド】これはNFκB(エヌ・エフ・カッパ・ビー)を抑制することによって炎症を抑制しています。NFκBは炎症反応以外にも『免疫強化作用』『細胞接着作用』にも作用する重要な物質です。ステロイドの副作用に「免疫抑制作用」「皮膚/粘膜トラブル」「骨粗鬆症」などが存在するのは、生理活性的に発生するNFκBも抑制してしまうからです。
     
    【消炎鎮痛剤:NSAIDS】
    これはCOX(シクロオキシゲナーゼ)を抑制することによって炎症を抑制しています。COXには「COX1」と「COX2」が存在し、炎症反応を発生しているのはCOX2です。
    COXはミトコンドリアがエネルギー(ATP)を産生する最終段階に必要な酵素であり、ここに関わるのがCOX2です。NSAIDSは「COX1も2も抑制してしまう」という性質があります(最近になってCOX2を選択的に抑制するNSAIDSが出てきましたが、とはいえCOX1を全く抑制しないというわけではありません)そのためNSAIDSには「エネルギー産生抑制」による多くの副作用(胃腸障害、倦怠感など)が存在します。*最近、COX2をブロックするNSAIDSに『腫瘍抑制効果』が見つかってきました。これはCOX2に腫瘍増殖作用があるためで、NSAIDSのCOX抑制作用が腫瘍抑制作用に働くためです。まとめると
    *ステロイド:NFκBの抑制→炎症も抑えるが、免疫、細胞接着、腫瘍壊死因子も抑制し副作用発現
    *NSAIDS:COXの抑制→炎症も抑えるが、ミドコンドリアのエネルギー産生も抑制し副作用発現ということです。では水素はどのようにして作用しているのか?水素の抗炎症作用は何らかの障害によって発生した活性酸素を抑制することによる作用です。腫瘍壊死因子やIL-1によって発生するNFκBは抑制しません。またNFκBによって誘導される『COX2』は抑制しますが、それに関係しないCOX1の抑制はありません。これらに関する多数の論文を読んでみると、水素は『ステロイドや消炎鎮痛剤の副作用を持たない抗炎症作用物質』である可能性が高いと言えます。
    加えて*COX2ブロックによる腫瘍増殖抑制作用*TNFα→NFκBラインを抑制しないことによる免疫強化、腫瘍壊死因子強化による抗癌作用、免疫強化作用*VCAM, ICAMによる細胞接着作用を抑制しないことによる副作用の軽減ということになる。これらは2007年から発表された『水素』『免疫』『炎症』『発ガン』などに関する多数の論文を読んだ上で、簡単にまとめたものです。これらのことをふまえると、水素の効果には無限の可能性があると確信しています。加えて、現在当院で行っている*水素による鎮痛治療*水素による癌副作用軽減治療*水素による動脈硬化抑制治療*水素によるアトピー性皮膚炎治療がエビデンスとして広く認識され、いずれ多くの医療機関で利用されることになるのもそう遠くないのではないかと考えている。 なお、この文章をまとめるために読んだ論文の一部は『最新論文の考察』『クリニックFBページ』にアップしてあります。
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